高松農業高校レスリング部について  顧問 森   浩

初代監督 太田吉彦先生 第2代監督 森  浩 本校コーチ 工藤祐士先生
部の歴史
 わが高松農業高校にレスリング部が誕生したのは1972年(昭和47年)のことです。太田吉彦先生が赴任してこられ、同好会としてスタートを切りました。その頃は練習場もなく何と砂場で練習していたそうです。翌年に部に昇格を果たし、団体戦で中国大会2位、個人戦でも数名が全国大会に出場するなど活躍されたと聞いています。そして、平成9年4月に第2代顧問として私(森)が赴任しました。当時、部員は2〜3名ということもあり、「いかにして部員を増やしていくべきか」が大きなテーマとなりました。県大会などでも思うように勝てず、悩む日々が続きました。そこで、私はわが部をPRすべく次の取り組みを行いました。 
@中学校を周り中学の先生方にレスリングを宣伝して歩く A五輪メダリストを学校へ招き、中学生向けの体験教室を毎年開催 Bテレビや新聞などに積極的に働きかけ取り上げていただく C部の成績やニュースをもとにレスリング部通信(燃える闘魂ニュース)を作り、部員に母校へ持っていかせる D柔道の試合などへ出掛け勧誘をする E部員とともにホームページを充実させる など。そうすると、ジワジワと部員が増え始め、現在は20名を超えるチームとなりました。それに伴い少しずつ実績も上がるようになってきました。平成15年4月に日本のトップ選手である工藤祐士先生が赴任し、指導に厚みが増しました。この夏には創部初めて団体でのインターハイ出場を果たし、個人においても平成16年度には高林努がインターハイ3位、国体準優勝の成績を上げ、日本代表の一員として海外遠征しました。平成17年3月には全国高校選抜大会への団体初出場、同5月には中国大会を初制覇することが出来ました。個人戦においても金光正浩が全国選抜2位、横畑翔太が全国グレコ大会3位と好結果を出しています。また、平成17年10月に行われた「晴れの国おかやま国体」には2名が選手に選ばれ、横畑翔太が3位、金光が5位と岡山県選手団の天皇杯獲得に貢献することができました。また、平成18年4月にはJOCカデットの部で時信光一が優勝を果たし、わが部初の全国王者としてアジアカデットレスリング選手権にも出場しました。後輩たちもこれから更なる活躍を見せてくれることと思います。これからも選手たちの活躍にご期待、ご声援下さい。(下の写真は創部当時の写真です。)
私の歴史
 私は中学、高校時代にはバレーボール部に所属しており、レスリングとは無縁の生活をしていました。しかし、私はプロレスラーに憧れていて、高校の時、昼休みに格技場に忍び込み、友達とプロレスごっこをしていたのをよく覚えています。また、文化祭では即興で大親友(N・Kくん)と校庭でプロレスをして、大観衆を集めました。このように「強くなりたい」「プロレスラーになりたい」が当時の自分の一番の関心事でした。大学進学を考えるようになった頃、「大学でレスリングをしたい」と思うようになりました。しかし、私には何の予備知識もなく、母親の「あんた、運動が好きなんだから日体大でも行きゃーえーが」の一言で日体大進学を決めました。その当時、日体大は大学ナンバー1の地位を不動のものにしていた時期(現在も当然強いですが)で初心者が少ないこともあり、周囲は「どうせすぐ辞めるだろう」と見ていたようです。ただ、自分にとっては「強くなるための毎日」が楽しくて仕方がありませんでした。高校時代から自分でトレーニングしていたこともあり、練習にもどうにか付いていけたことも競技を続けられた要因だと思います。大学4年生になり、全日本選手権4位、全日本学生選手権優勝などの実績を上げることが出来、応援してくれた親や周囲の人に喜んでもらえた感激は今でも忘れることが出来ません。そして、進路を考えた時、「こういう感激を高校生にも味あわせたい」との思いから教員への道を選びました。とはいえ、レスリング部のある高校は数少ないことから、教員に採用された後は、琴浦高校、倉敷南高校で柔道部の顧問をしていました。しかし、レスリングを指導したいという気持ちを抑えることは出来ず、平成9年にレスリング部のある本校に赴任するすることが出来ました。現在、私はこの高松農業高校レスリング部の監督をしていますが、「強くなることの楽しさ」「勝利を上げた時の感激」「仲間の大切さ」「物事に全力で取り組むことの大事さ」などを生徒たちに伝えるべく日々部員たちとともに燃えています。まだまだ指導者としても日々勉強中ですが、この競技を通して一人でも多くの子供たちが夢や目標を実現させてくれたら本当に嬉しいです。
指導の考え方
 私は常々「レスリングはチャンスの大きい競技なんだ」と訴えています。確かに競技人口も少ないし、一般的な知名度もそれほどではありません。しかし裏を返せば、「強くなりたい」という純粋な気持ちを持ち続け、必死に努力すれば誰にでもチャンスがやってくる。それがこの競技の素晴らしさだと思います。私はこれを「マイナーパワー」と呼んでいます。勝利することの自信は自分を一回り大きくしてくれます。努力が報われた時の感激は何者にも代え難い貴重なものです。とはいえ、入部してくる部員たちは必ずしも人並み外れた体力や気力を持っているわけではありません。それぞれが自分自身の目の前の課題をクリアーしていき、最終的に入部する前より心身ともに逞しい自分を作り上げていくことが重要だと思います。私は他の指導者がそうであるように服装面や挨拶などもうるさく指導しています。人間的な甘さは必ずマットの上でもあらわれてきます。また、未熟なチームではたとえ勝っても周囲の人に喜んでもらうことはできないからです。指導者としてはまだまだ未熟ですが、一人でも多くの子どもたちにレスリングの素晴らしさを伝えるべく頑張っていこうと思っています。そして、周囲の方々から今以上に愛されるチームを目指したいと考えています。
中学生のみなさんへ
 レスリングは、「強くなる」ことが日々実感出来る競技です。階級制で全ての試合が行われるため、どんな体格の人でもハンディがありません。要するに、必死に頑張った者が勝てる競技なのです。実際、わが部で活躍している選手の中には中学時代まで運動経験すらない者もいます。「強くなりたい」「全国で闘いたい」「燃えるものを見つけたい」などと考えている皆さん、是非本校レスリング部を目指してもらいたいです。たった一度の高校生活、高松農業高校レスリング部で燃えましょう。興味を持った方は是非一度道場へ見学に来てもらいたいと思います。
問い合わせ先:086-287-3711(高松農業高校・顧問森まで)
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