岡山県立高松農業高等学校・園芸福祉専攻　「生徒制作ＷＥＢ」　３年課題研究「ハーブ商品化プロジェクト」

岡山県立高松農業高等学校園芸福祉専攻　３年課題研究

ハーブの商品化「加工と販売」

　園芸福祉専攻では、平成１９年度から３年の専攻生がハーブを商品化するプロジェクトに取り組んでいます。生物を活用する時代であり、それを目的とする専攻の取り組みです。
　なお、ハーブ苗の販売はこの数年５倍に増えていますが、苗生産については報告を略します。

平成１９年度　和風ハーブティー（シソジュース）・・・販売許可が得られないことが判明。
平成２０年度　ハーブクッキーの試作に取り組む。
平成２１年度　ハーブティー、ハーブオイル、香り袋、ハーブソルトの研究と販売を実施。

　ハーブ班（平井・沖嶋・渋鍬・高田）

『ハーブティー』

　ハーブティーは、レモングラスとレモンバーベナを販売しました。レモングラスは、胃腸を整えてくれる働きや消化を良くしてくれる効果を持っています。レモンバーベナは、精神への作用（リフレッシュ）やニキビ予防、皮脂のバランスの調整に効果があります。どちらも、食事と一緒に飲むのがお勧めです。

レモングラスの収穫

計量、袋詰め（ラッピング）

ふれあい市販売
レモングラス１０グラム１５０円
レモンバーベナ５グラム１００円

・ハーブの栽培と乾燥
　ハーブ自体は私たちが育てた高農産ハーブです。しかし、その乾燥は、衛生面やその質を考え、『食工房ぶどうの木舎』にお願いをしました。
・収穫直後に、乾燥（鮮度が命）
　変色すると香りも悪くなり、葉の色もくすんで草の香りになりやすいことが分かり、１時間でも早く乾燥できるように、収穫のその日のうちに『ぶどうの木舎』に持ち込みました。
・ドライハーブとしての高い質
　乾燥後のハーブは緑色が残り、草色ではありません。お茶にした後の出がらしを見ても、まるでフレッシュハーブのようです。（レモングラス、レモンバーベナともに）　

『ハーブオイル』

　ハーブオイルは、オイルの中にハーブを入れ料理などに使ってもらえるよう販売しました。中に入れているハーブは、ローズマリーとタイムです。ローズマリーには、疲労時や無気力の時に気分を明るくしてくれます。他にも頭を明晰にし、記憶力を良くする効果があります。タイムには、集中力の増進や不眠症に効果があります。

オイルの小分け作業

ラッピング

完成
ハーブオイル３５０円

・ハーブソルトの失敗
　ハーブソルトを第一候補にしていた商品化プロジェクトでしたが、何度挑戦しても主材料のスイートバジルの乾燥がうまくいかずいったん諦め、商品化しやすいことが分かったハーブオイルに挑戦しました。ソルトよりもオイルの方がご家庭での使用量が多いとの情報であり、前向きに取り組みました。
・油脂の製造許可
　問題は、オイルの小分け作業自体に、油脂の製造許可が必要なことが分かり、食品科学科の施設をお借りし、今回は何とかクリアしました。
・今後の課題
　香りがオイルについたら、かび防止のためハーブを取り出していただくということで、ラップで仮のフタをして販売しました。保健所からは、香り付きのオイルを小分けしたらどうかと、勧められました。

『香り袋』

③香り袋は、中にラベンダーを入れ販売しました。ラベンダーには、神経の緊張、不安をやわらげる働きや安眠作用、ニキビ、吹き出物、ブツブツなどの肌にも効果があります。見た目がかわいいなど高評価でした。

材料選び

ラベンダー詰め

装飾中
香り袋１００円

・作業時間の問題
　私たちの実習は、生産学習が中心のため、なかなか７月からもハーブの商品化に時間を使えませんでした。特に、メロン栽培はハーブ苗の生産に時間を取られました。
・ボランティアの依頼
　そのため、香り袋用の袋の制作は、北区内の田中孝子氏に依頼しました。
・自分たちの欲しくなる商品
　とても可愛らしく、しかも香りが素敵で、私たちも欲しくなりました。

ハーブ商品プロジェクトのまとめ

・販売許可の問題とドライハーブの質が良いことから、特にドライハーブティーの生産・販売が有望なことが分かりました。
・香り袋は、絹の袋等の準備さえできるのであれば、販売の継続は可能です。
・ハーブオイルは、製造許可の関係で食品科学科の施設利用が必要です。
・商品の表示は、最低でも８ポイント以上の大きさで表示することを知りました。
　今回の場合は、商品が小さいため例外の５ポイント以上となりました。

その他、作業風景などの写真記録

レモンバーベナ（クマツヅラ科）の活用