園芸セラピー研修講座「開催要項」
平成14年9月22日改訂 平成14年度に行ったものである。
《 研修講座を始めるにあたって 》
 
 園芸セラピー(園芸療法)という言葉が言われ出して10年余りしか経っていないにもかかわらず、新学習指導要領に伴って、新科目「生物活用」が設けられたということは、園芸セラピーなり、動物セラピー(動物介在療法)への期待の大きさを物語っているように思う。
 20世紀後半には、心の時代、環境の時代等々言われてきたが、動植物と我々人間との新しい関わり方を模索していく時代へと変化してきた。物質中心の時代を経て、自分たちはどんな生活をしたいのか、どんな生き方をしたいのかという自問自答する中で、QOL(生活の質)を如何にして高めるか、その一方策として、園芸に関わりのある農業関係者が自ら園芸の価値の再評価を行い、園芸に新しい価値を付与していく活動が求められていると考える。その活動が園芸セラピーである。また、市民農園などもその趣旨は園芸セラピーと同じであり、私達の生活の中に定着することを願うものである。
 園芸セラピーや園芸福祉に関する各種団体が活発に活動しているが、統一した団体が存在しない現状である。また、園芸セラピーが単なる園芸活動に終わることなく深みのある活動に発展させるためにも、理論を学ぶことが重要であると考えている。
 ささやかな活動かもしれないが、園芸によって、私達の生活の質が向上することを願っているし、農業高校生の活動がその一助になるように努めたいと考えている。     by MIYAKE michiharu


《 目的 》
   地域における「園芸の福祉的利用(特に園芸セラピー)」について研修する事
   により福祉的利用について理解を深める事を目的とする。

 
《 開催場所 》
   岡山県立高松農業高等学校 創立百周年記念館、及び草花作業室

《 実施主体 》
   岡山県立高松農業高等学校 「園芸科学科」

《 参加対象 》
   @ 本校生徒・教職員
   A 医療・福祉施設職員
   B その他、園芸の福祉的利用に関心のある方

《 開催日時 及び主な内容 》
   @ 7月20日(土) 13:30〜16:30
       研修講座T
        ・園芸と人との新しい関わりを求めて
        ・園芸セラピーの定義と特徴
   A 8月17日(土) 13:30〜16:30
       研修講座U

        ・園芸セラピーの歴史
        ・イギリスの施設における園芸セラピー
        ・園芸セラピーを取り巻く最新情報その1
   B 9月21日(土) 13:30〜16:30
       研修講座V
        ・児童と高齢者に対する園芸セラピー
        ・視覚障害者疑似体験(種まき実習)
   C 10月5日(土) 13:30〜16:30
       研修講座W
        ・ボランティア論
        ・園芸セラピーとボランティア
        ・視覚障害者疑似体験(鉢上げ実習)
        ・園芸セラピーを取り巻く最新情報その2
        ・
意見交換

《 講師 》
   研修講座T〜W
      岡山県立高松農業高等学校 教諭 三宅道治
   研修講座W「ボランティア論」
      岡山大学医学部附属病院 看護部長 山田佐登美

《 受講料 》
   無料

「終わりに」

 
  ・園芸福祉という言葉も生まれ、NPO法人も設立されている。
    ・わが国に適した園芸の活用の模索が始まっている。
    ・関連する資格として、園芸福祉士、園芸療法士などの資格を授与する
     団体や短大も出来ている。

    ・農業高校で学んだ園芸の知識・技術がもっと求められる時代がやってくる。
     園芸の知識・技術を持った生徒達が地域で活躍し光が輝く時代に向けて
     一歩からスタート



※指導・協力
    
英国園芸療法協会、英国園芸療法協会日本連絡事務所、及び月刊園芸療法