園芸福祉モデルガーデン「秋花壇」完成
《 2017福祉的ガーデニング力育成講座 》


キーワード: 園芸福祉  ガーデニング実践力  コミュニケーション能力  発表力

はじめに
 新学期には、農場の景観形成の一つとして、苗ものが根付いてきれいになります。10月の農業クラブ全国大会岡山大会で本校に来られる全国の農業クラブ員、諸先生方に、ご覧いただけるとうれしいです。
 猛暑の中、参加した生徒や一般受講者の皆さん、教育支援ボランティアとしてご指導いただきました講師の藤原博明先生・斉藤哲也先生に感謝申し上げます。

めあて
 @ 園芸福祉的ガーデニング実践力を身に付ける。
 A 異年齢のグループワーク内でコミュニケーション力を高める。
2017年の工夫改善
 兵庫県園芸療法士の藤原博明氏を外部講師としてお迎えした。
 
8月20日(日)「モデルガーデン実習」
 
1.植物をよく知り活用しよう。
 2.与えられた福祉的テーマに沿って協議、花壇づくり、発表、まとめ
  @高齢者向け A視覚障がい者向け Bストレス解消 C車イス利用者向け
  
実習準備(仕分けされた植物) 実習準備(プラ舟・苗物など)
午前11時〜講義(知識編)
講義の開始(午前) 講義中
知識編講師の藤原先生 メモを取りながら学習
午後12時35分〜園芸デザイン・グループ協議
グループ協議@
(園芸デザイン)
グループ協議A
午後1時15分〜秋花壇のガーデニング実践
実習開始 デザイン後、植え穴に
水を入れ植え付け
1班 実習風景 1班 高齢者向け花壇
2班 実習風景 2班 視覚障がい者向け花壇
3班 実習風景 3班 ストレス解消のための花壇
4班 実習風景 4班 車イス利用者向け花壇
午後2時40分〜まとめ、ゾーニング図の完成をめざして
各班 まとめ作業 ゾーンニング図作成
午後3時5分〜各班発表・意見交換・指導好評
各班の発表(生徒) 指導講評

期日指定の実習用「植物生産活動」、実習準備
    猛暑の中、如何に実習日にちょうど良い苗物を供給するか!
(1)主な作業日程(概要)
  4・5月 植物選定基準に基づき実習用植物の決定
       種子等の発注や準備
  6月から8月 種まき、古株再生術等の栽培活動
  7月 モデルガーデンの植物の撤去
  8月 培養土・マルチング用赤玉土(中粒)の購入
      モデルガーデン各区画への培養土搬入
      前々日の植物の仕分け作業、会場準備等
(2)実習用植物の生産活動
  実習室東犬走り活用による育苗、開放講座で育苗
「ハーブ研修会・物づくり編」で苗づくり
一般受講者と、古株の再生術に取り組む生徒(7月8日)
実習室東犬走りで育苗@
(発根したカモミール、6月30日)
実習室東犬走りで育苗A
(一部鉢上げ後、7月3日)
7月19日
苗の外出しの実施
8月6日
台風5号で、苗物を温室に避難
(3)園芸福祉モデルガーデンの事前整備
 7月下旬、植物撤去
8月8日
モデルガーデン4基に培養土の搬入
培養土搬入後均平作業
8月18日猛暑の中の
植物の仕分け作業
植物リストにより
植物ラベルを書く。
植物の仕分け作業(二人ペアで実施)
 ・4基の園芸福祉モデルガーデン用苗物216鉢・・・4班各54鉢
 ・仕分けに間違いがないか、ダブルチェック。あとで教師が第3チャック。
 ・必要により苗物の差し替え実施。
 ・仕分け作業の生徒たちが、もっとも植物に詳しくなれる可能性がある。

今回の苗物生産の成果・反省点
・休日を含め日々のこまめな観察や作業ができ、比較的うまく成長して、当日使える苗物が多かった。
・種まき忘れもあった(ラムズイヤー、サニーレタス)。
・種まきが結果的に早すぎたもの
   ジニア・プロフュージョン、マリーゴールド
・使えるが、種まきが遅く花色が分かたなかったもの
   アゲラタム、五色トウガラシ
・4基に植える6本の樹を全面更新することができ、根鉢が小さいことから当面の移植作業が楽になった。(南天等の大きくなりすぎ、コニファーの傷みすぎによる更新)

なぜ、8月実施か
・通常、8月に他の行事は入らず、会場の確保が出来る。
・新学期に新しい花壇を提供できる。

8月実施のデメリット
・植物の育苗を始め、参加生徒等、猛暑で難易度が高い。
8月実施の学習的メリット
・売れ残りの苗の再生術など、新たな技術を学べる。
・不適切な時期の移植など、植物の環境適応能力の高さを学べる。

園芸福祉モデルガーデンの継続性
・平成15年度に計画。平成16年度から継続して、年間を通じて約11か月栽培管理を行っている。
(かつて、あまり利用されていなかったシンボルゾーンの教育的利用)
(5月、8月、11月に植え替え実習と、そのための育苗)


実施後の反省アンケートより

生徒さんのリーダーが指揮を執ってくれ、とてもやりやすかったし、生徒さんはテキパキ動いていた。また、土がふかふかでとても気持ちが良かったので、我が家でも土の入れ替えをしようと思った。そして、各班いろいろなレンガの使い方をしており勉強になった
・初めて出会った人と短時間に計画・植栽するのは楽しかった。生徒さんはとてもまじめに取り組んでいた。
・植物は文章でしか知らなかったので、実際に取り組んでみてやっと理解できた。また、先輩の方が植物について知っていたので見て勉強することができた。次は別のテーマ花壇に取り組んでみたい。
・すぐに花壇のところに行き、植物の配置を考え、シンメトリーにしてレンガがポイントで高齢者の方が少し入れるように配慮した。今回もみんなで協力して良い花壇が作れた気がしている
・講師の先生から、高齢者ははっきりとした派手な色を好まれるとお聞きし、できるだけ濃い色の花を多めに使用するなどして、花壇全体が明るく見えるようにした。チームワークも良くできたので、とても良かった
・先輩達がほとんど考えてくれたので、次回は考えを話せるように頑張りたい。発表が終わった後、皆さんからの意見を聞く場面があったが、なるほどと思える意見がたくさんあった。きょうはとても良い経験ができて良かった。
私はガーデニングの実践力が高まったと思った。自分もきちんと役割を果たすことができ、そして、しっかりみんなと協力して、良い花壇ができた。
・視覚障害者のための花壇を作ったが、香りや手触りを感じやすいように種類ごとに植物を配置した。また、植物の手入れがしやすいように、レンガを三日月形に配置した
・班・チームでするからこそ早く終えることができた。
・みんなと協力して、車イスの方が見やすい花壇を作ることができた。レンガの置き方と、花やハーブを対称にするなど工夫した。たくさんの花を置くことよりも、すっきりとさせたデザインにした。
レンガをVの字に配置したので、花壇の手入れもしやすくなった。みんなと話し合いながら行い、みんなの考えも知ることができて良かった。

・分からないことだらけであったが、2年生と協力して早く終えることができた。
・ストレス解消のための花壇の担当となった。植物が緑のハーブ系が多かったので、期待される効果、注意すべき点に沿って植物を選んで植えることができた。
先輩が声を掛けてくれたので、とてもやりやすく取り組むことができた。協力して、シンプルでストレス解消ができる花壇ができたので、すごくいい時間が過ごせた。冬花壇の時も、自分からチャレンジしていきたい
・ガーデニングをしてみて、どうしたら良い感じの花壇になるか難しくてなかなかうまく出来なかったが、先輩方がリードしてくれ、“先輩は凄いな”と思った。
 
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