農業クラブ岡山県大会 県連盟成人代表 安井 盛 挨拶
 おはようございます。   
 平成30年度第61回岡山県学校農業クラブ岡山県大会が、晩秋の備中高松、秋晴れのさわやかな日に、ここ高松農業高校で開催できますこと、大変うれしく思います。
 また、本日は大変お忙しい中を、岡山県知事代理、備前県民局長、藤本やす弘様、岡山県教育委員会教育長代理、高校教育課副課長、福岡英昭様を始め、多くの御来賓の皆様に御出席いただき、心より御礼申し上げます。
 さて、振り返ると、昨年度は岡山県で47年ぶりに開催した農業クラブ全国大会は、県下8校の農業クラブ員が、協力し合い大成功に終わることができました。中でも岡山らしいおもてなしの運営に加えて、意見発表会では真庭高校の松尾さんが最優秀、日本一となりました。
 また、大会式典では、小泉進次郎さんが全国の農業クラブ員に対して、「将来の日本の農業を君たちに託す」と熱いエールを送ってくれました。
 あれから丸一年があっという間に過ぎ、今年の全国大会は、先月明治維新150年で沸く鹿児島県で開催され、岡山県からは、生徒・教員合わせて61名が参加をいたしました。
 特に、農業鑑定競技において、興陽高校、農業科2年生の小坂真桜さんが見事、最優秀賞・日本一に輝きました。2年連続で岡山県のクラブ員が日本一を獲得したのは、実に8年ぶりのこととなりました。大会式典のあった夕方には、興陽高校の生徒と先生方が、岡山駅の新幹線ホームに、お祝いの横断幕を持って、鹿児島から帰ってくる小坂さん達を出迎えたと聞いています。
 「出迎え」と言えば、今年の夏の甲子園では、我々と同じ農業高校の秋田県立金足農業高校が、農業高校として戦後初の準優勝の快挙を成し遂げ、甲子園から秋田空港に帰ってきた野球部員を、大勢の秋田県民が出迎えた光景が、ニュースに何度も流れたのを思い出します。
 あの金足農業の野球部員は、我々と同じ農業クラブ員です。放課後には実習があり、メンバーが揃わない中でも、地道にコツコツと練習を重ね、雪の日には長靴でランニングして足腰を鍛え、その結果準優勝という大きな花を咲かせました。皆さんも知っての通り、ピッチャーの吉田輝星君は、プロ野球のドラフト会議で北海道日本ハムファイターズに一位指名されましたが、8月の甲子園開幕から今日に至るまで、日本中の人に農業高校はどんな勉強をしているんだろうとか、どんな取り組みをしているんだろうという関心が高くなり、問い合わせも多く寄せられ、今年の流行語大賞には「金足農旋風」という言葉までもノミネートされています。       
 また、先日は皇太子さまが、全国農業担い手サミットに出席するため山形県にお入りになり、県立上山明新館高校で、園芸実習の様子を視察され、シクラメンの「葉組み」実習やヨーグルト作りを見て回られたとのニュースもありました。このように、今、日本中の高校で一番注目されているのが、我々農業高校であり、今日のような農業クラブ活動であると思っています。             
 今日は今年度の岡山県大会で、最優秀賞を獲得したプロジェクト発表と意見発表の模範発表が行われますが、その内容も農業クラブ員の素晴らしい活動の一つとして大いに参考にしてください。         
 今農業は、農業高校同様大きな注目を浴びている産業です。今朝の山陽新聞には岡山市北区にある会社が、韓国の大韓航空と連携し、岡山桃太郎空港と韓国・仁川空港の定期便を利用して、岡山県産の白桃やブドウを、香港やシンガポールへその日のうちに届ける輸出を始めたという記事がありました。
 また、今日も県立農業大学校の赤木校長先生も出席いただいておりますが、農大と農業研究所で栽培されたシャインマスカットが、国際宇宙センターに送られ、宇宙飛行士が口にし、岡山県産のブドウがついに宇宙デビューまでしました。
 これからの農業は、ICT技術を駆使し、スマート農業を取り入れ、地域から世界へ、そして、宇宙へと発展していく、将来性豊かなすばらしい産業です。
 最後になりましたが、8校の農業クラブ員が、今後もさらに強く連携しながら、農業高校8校が、日本一夢に溢れ、生き生きと活動する農業高校になっていくことを願い、開会の挨拶といたします。