農業科学科 農産流通専攻

高齢を理由に引退する農家が相次ぐ中、株式会社などの形態で農業に取り組む農業生産法人が増えており、一人ではなく組織で農業をする重要性、あるいは所得向上を実現するために経営感覚の優れた人材育成の必要性が高まっています。
 そこで、農業科学科では、会社組織において、農産物の生産から販売、商品開発等を行っています。農産流通専攻生は、生産部・加工部・経理部・企画販売部の代表を務めています。高校生のアイデアがキラリと光る活動ばかりです。
んな商品を作っています。!!
生食用トマト 本校のトマトを使用したトマトゼリー(ギフトセット開発) 地域の有機トマトを使用したトマトゼリー(ギフトセット開発)
生産部の活動紹介
1粒1粒丁寧に手まきします。 3月中旬に定植です。 収穫したトマトは、加工用に規格分けをします。
加工部の活動紹介
トマトをお湯につけて皮むきがしやすいようにします。(湯煮) 一つ一つ手作業でトマトの皮むきと芯抜きをします。 シラップ液につけて缶で保存します。
企画・販売部の活動紹介
ふれあい市でトマトゼリーの商品説明
をしています。
天満屋岡山店でトマトゼリーの試食販売を行っています。 アイコの微粉末を使用したジェラートの試作を実施しました。
経理部の活動紹介
ゼリー製造に必要な基金を集めています。 ゼリー会社で製造委託の交渉をします。 自分で栽培・収穫した野菜を、ゼリー製造委託基金に協力してくれた方へお礼として配布します。
商標登録で「高農」のブランド化を推進
特許庁に商標「高農のA」を登録 特許庁のホームページから商標「高農のA」が登録されていることを確認 森弁理士から知的財産について学びました。
私たちの活動は、地域の方によって支えられています。
<指導機関・協力会社など>
中国四国農政局、岡山農業普及指導センター、岡山県農業開発研究所、岡山市、岡山市農業協同組合、JA味彩館、
岡山市高松有機無農薬野菜生産組合みどり会、角南製造所、ベーシック・プロダクト、森特許事務所、マルイ大福店、
ピュアリティまきび、天満屋岡山店、国民宿舎サンロード吉備路、安富牧場 など

毎年、活動報告並びに会計報告会を実施しています。
【活動を終えた生徒の感想】
・ 株主総会は、1年間の集大成とも言える活動で、活動報告や会計報告を無事終えることができてよかった。
・お金を出して普通に食べていた食品の背景に、様々な努力があることを知り、自分で作った食品に愛着がわくようになった。
・運営は、生徒が主役、先生は支援という体制だったので、戸惑いながら活動したが、やってみると意外と楽しかった。
・役員を中心に、みんな自分の役割に関係なくお互いに助け合い、「どうしたら売 れるのだろう」と知恵を絞り、行動することができた。
・自分達で実際に会社を作り貴重な体験をし、よい勉強になった。
・役員としての責任感が芽生えた。

「高農くすのきカンパニー」
ロゴマーク決定
高松農業高校5つの科にテーマカラーを定め、それぞれの頭文字と校樹「くすのきの葉」をイメージしデザイン。高校生らしさ、ぬくもり、親しみやすさをコンセプトに、くすのきをキャラクター化し、5つの科を組み込んだ。元気で手づくり感のある手描き風のマークに、どこか可愛らしさの残る、かっちりしすぎないロゴを用いて作りました。 高農のシンボルである楠木。樹齢百年を超す樹木で、これからも高松農業高校の生徒を見守ってくれると思います。

起業で青春!これまでの軌跡
会社組織 活動内容 役員のメンバー
平成27年 合同会社「高農くすのきカンパニー」
(あかなす部門)
☆行政書士や税理士の方に相談し、合同会社を設立。
 模擬会社として活動してきた内容は、原則として引き
 継がれる(1月)。
☆ハウス内の暑さ対策として、遮光ネット(遮光率50%)
 を設置(2月)。
平成26年 模擬会社「あかなす」 ☆ハウスのビニールの老朽化に伴い、サイドと間口の
  ビニールを更新。
☆ミニトマトを使用したトマトゼリーを年間で約4,000個
  製造・販売できる体制が整った。
☆ミニトマトをフリーズドライした微粉末のジェラートを試作。
☆地域の有機トマトを使用したトマトゼリーの天満屋
 販売においては、食品科学科と協力してテンペチーズ
 や豆腐ソーセージとの合同販売を試みた。
平成25年 模擬会社「あかなす」 ☆ハウス内の換気扇が故障したため、2機新規購入。
☆地域の有機トマトを使用したトマトゼリーギフトセット
 (1箱3個入りで地域の観光地や農家・学校紹介の
 マップ付き)を開発し、6月に天満屋岡山店で販売。
 生食用トマトとの併設販売を試みた。

 
平成24年 模擬会社「あかなす」 ☆突風によりハウスが破損したため、農POフィルム
 の張替を実施。
☆トマトの品質向上を図るため、テンシオメータ(pF
 メータ)を導入し、かん水量の調整に役立てた。
☆「高農のA」を農業科学科すべての農産物・加工品
 にシールとして貼る。(商標からブランド定着へ)
☆全国産業教育フェアでトマトゼリーを試食販売。
平成23年 模擬会社「あかなす」 ☆農業科学科の学科全体で1社の運営に変更。
☆地域の有機トマトを使用したトマトゼリーを開発し、
  10月に天満屋岡山店で対面販売。
☆販売部から企画・販売部に部署の名称を変更。
○農業クラブプロジェクト発表県大会最優秀賞(1位)
 中国大会優秀賞(2位)

○岡山県青年農業者大会で事例発表
平成22年 模擬会社「あかなす」 ☆模擬会社名を「あかなす」に統一。
☆「高農のA」を特許庁へ商標登録。
☆トマトゼリーのギフトセット(4個入り)を開発し、国民
 宿舎サンロード吉備路での販売をスタートさせた。
☆シラップの保存を瓶から缶へ変更し、トマトゼリーの
 周年販売の体制が整備された。また、大玉トマトの
 シラップ漬けも可能になった。缶のふたをする道具も
 新規購入。
☆トマトシラップ漬けの単体商品の製造をやめる。
☆会計処理のため、追加で中銀の通帳口座開設。
平成21年 模擬会社「実らい」 ☆地元企業の協力を得て学校のミニトマトを使用した
 トマトゼリーの商品化に成功(約600個製造)
☆トマトシラップ漬けの単体商品も製造、販売。
平成20年 模擬会社「∞コーポレーション」 ☆学校のミニトマト(アイコ)を生食用として販売。
☆会計処理のため、農協の通帳口座開設。
☆学校の水耕トマトを用いたケチャップを試作をしたが、
 少量のため商品化を断念。
農業クラブプロジェクト発表県大会最優秀賞(1位)
  中国大会優秀賞(4位)             

担当教員から
中学生への
メッセージ
土づくり」から「物づくり」、そして「人づくり」へ

 本校農業科学科で実践している起業家教育の特徴は、生徒自ら土づくりから売れる物づくりまでを一貫して行っている点にあります。まさに、「作った人が売る」「売る人が作る」ことを実践しています。自ら作っているから、売る時に生産の苦労やこだわりを消費者に自分の言葉で説明できる。対面販売で、直接、消費者の声を聞くことができるから、生産や売り方に活かすことができるのです。
 また、多くの大人と接する機会に恵まれていることから、実学を学べ、社会人としての基本的なマナーなども身につけることができます。会社組織において、みんなで協力して物事を成し遂げる苦労や達成感も味わうことができるでしょう。
 これらの活動を通して、農業を学び、農業が学べる上級学校への進学や農業に関連する企業へ就職しています。農業から様々なことを学び、進学や地元就職しています。
 この活動は、先輩から後輩へ引き継がれています。中学生の皆さん、このような環境で先輩と一緒に学び成長しましょう。
3年生と2年生の引継ぎ会
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