『ガーデニングのツボ』

老化苗の再生術    
 植えてない余った3号苗、老化してしまい何とかしたい、という視点で書いています。
 技術的には、切り戻しを兼ねています。


前提条件: 根鉢が良く回っており、水も染み込みにくくなっている。
 そんなに難しい作業はありません。必要なのは、根気だけです。学校では、苗物を確保する方法として、種まき、さし芽、株分け以外に老化苗の再生術を行っております。

1.切り戻し

 原則として、元気の良い葉が2・3枚残っているところで切り落とします(サルビア、マリーゴールドや黄花コスモスのような花苗の場合)。

 (補足:切り落とした茎葉は、さし芽にも使えます。)

サルビア 
切り戻したもの(左) →
わき芽の上で、切り落とす。
バジル
切り落としたもの(左)
パセリ
下葉を半分程度取ります。
2.根鉢の作り直し
(1)ハサミ
 大活躍するのが、捨てようかと思っている園芸ハサミ(摘果ハサミ)。何故かというと、土を切るので切れ味の悪くなったハサミで十分です。
(2)作業の実際
 ・2/3〜3/5くらいに根鉢を、ハサミで切り落として小さくします。
 ・根鉢の上部も、土を手で落とすか、鋏で切り取ります。
 ・さらに、根鉢に下部はハサミで2・3回切ります。
ステビア →  
作業後
 下のスイスチャードのように皮をむくようには切れません。
スイスチャード →
実際の作業
 葉は2・3枚にして、根鉢は皮をむくように切っていきます。根鉢の上部も下部も切り取ります。(スイスチャードの場合)
3.作業後、追肥
 
学校では、作業後7〜10日で1B化成を花苗で2粒、ハーブには1粒施します。


4.作業後の環境
 日差しが強い時期は、1週間程度はいくらか遮光してください。
 人間で言えば、この作業は大手術後なので、“安静に保てる環境にする”という意味です。

5.老化苗の特徴・問題点
 
老化した苗は、根詰まりをおこしており、活着が遅れて根張りが悪くなります。根鉢を形成しきっていない、やや若い苗の方が植え付けには適しています。
※経験上、多くの植物で、再生術は行えますが、こまめなその後のフォローアップが必要です。マリーゴールドにトレニア、ブルーサルビアなどの花苗、セージやスイスチャードなどのハーブだけでなく、例え実物野菜でも、夏に、トウガラシやわい性トマトも行って、苗を無駄にしないようにしています。