2012園芸セラピーワークショップ in 高農
農業クラブ専門分会『園芸セラピー部』の取組
はじめに
 本校生徒に園芸セラピー園芸福祉分野の最先端の情報を提供するため、全国的に活躍しておられる先生に講師としてお越しいただき実施しています。あわせて、アクションプランの一つ、センター的役割を実践しながら、生徒の発表の場、活躍の場、販売の場にもなっています。

 生徒達は
行事を通じて活躍・体験し、学校の中で地域の方々とともに育つ学習展開に参画しました。園芸クラフトではアシスタントとしてクラフト実習を行い、直後の6〜7月の園芸福祉活動での実践しました。大掃除から片付けまで、先輩から後輩に引き継いでいく活動でもあります。

キーワード 
 園芸の力  園芸クラフト  自主性  コミュニケーション能力 
 アシスタントティーチャー  共育   プロジェクト発表  農業意見発表 
 販路確保  
社会貢献活動  センター的役割  専門分会
 
 受付、司会進行
生徒による受付
(2年専攻生)
生徒による司会進行
(3・2年専攻生)

開会行事
生徒実行委員長、開会あいさつ
(3年専攻生)
受講者
(メモを取りながら学ぶ生徒)

ポスターによる「プロジェクト発表」
    
演題:園芸福祉プロジェクト  3年専攻生3名
 一般の方々にポスター(模造紙)を使った発表をお聴きいただきました。自分たちが1年次から関わった内容を加えて、10年間の歩みを紹介しました。
  「農業意見発表」
    
演題:拝啓 芝人形さんへ  3年専攻生
 前日6月22日の校内大会で発表した作品であり、1年生の4月からの芝人形作りに情熱を注いできたその取り組みの一端を発表しました。原稿用紙を持たず、よく鍛えられた発表態度で、聴衆の皆様の心に響く発表でした。

記念講演
   
フローリスト萬
     萬 木  善 之 先生(アートディレクター)
講演 「人の心を引きつける園芸」
花の文字に隠されているもの
は何かと、問いかけ。
人を引きつけるポイント
のひとつ
聴き入り受講者 質問する生徒

園芸クラフト「花のケーキづくり」
    百周年記念館から「測量実習室」に移動して実習。
講師
 萬 木  善 之 先生
会場となった測量実習室 アシスタントを務める生徒
(3・2・1年生が一緒になって)
作品の完成
花が枯れたら、別の花を生けます。
講師の先生を交えて
主な材料・用具
@ ケーキに見立てる「パッケージ」
A カラーオアシス(クリーム色)
B バラ2本
C 保水キャップ2個
D 装飾品
 ・オアシスに巻く「リボン」(アクセントとして)
 ・リボンを留める虫ピン
 ・表示板(これにより引き立てる、しまった感じがする。)
   5.5cm程度の♯20ワイヤー。テープで固定
 ・イチゴのグミ3種類
   2.5cm程度の♯20ワイヤーをグミに刺す
 ・オパール2個(針金付き)
 ・ホイップクリーム2個
   2.5cm程度の♯20ワイヤーをグミに刺す
E 必要な用具
 ・ラジオペンチ
   針金をグミに刺す。
 ・速乾性木工ボンド
   リボン、オアシスの固定
 ・よく切れるはさみ
   ワイヤーを切る。バラを切る。
   オアシスに穴を開ける。
 ・カッターナイフ
   オアシスを切る。・・・事前に切り、時間短縮。
 ・水差し
 ・透明な袋(キットをまとめて入れておく)
    お持ち帰り用の袋でもある。
 ・輪ゴムやリボンなど
    お持ち帰り用の袋をとじる。
スクールプロジェクトの紹介展示
写真パネル展示 ドライハーブティー、
芝人形の展示

あずまや高農の活用「農場生産物の販売」
    
受付後、並びに閉会後に実施
 園芸セラピー部で栽培しているハーブ苗を中心に、農業科学科のトマトを販売実習を行いました。販売に対応する生徒達の活躍に、新たな生徒の成長を感じた一日でした。
 ※売上げ ハーブ苗9千円、トマト約7千円

当日の準備・運営面で活躍する生徒達
たくさんの黒い汚れ。
朝6時半前から始まった
事務室の床の拭き掃除
発表用ポスターの取付
6/9広島での発表の
再現を目指して
資料綴じ・配布準備作業 トイレの花の準備
掃除の再チェック
メモを取りながら 事前の制作練習
アシスタント・ティーチャーを目指して
午前10時前より、事前に制作指導を受けました。
車の誘導
あいさつ隊
ワークショップ横幕の取付
 ※駐車場係、会場誘導係ともにあいさつ隊を兼ねて

前日6月22日の準備・・・園セラ、伝統の掃除
大事な会場。3カ所あるトイレ掃除にもこだわり
    ホコリ、クモの巣、落ち葉、エチケットコーナーなど
会場の大掃除 机・椅子の配置
下足ロッカー
の拭き掃除
外回りの掃き掃除
椅子・机の無い状態の
倉庫の大掃除
プロジェクターの設置
コード類の固定
Welcome Garden
  「ライン花壇、モデルガーデンの整備」
 
写真は、園芸福祉モデルガーデン
 5月10日、京山中学校との園芸交流で、植え替え実習を実施して3年目。ワークショップの近づき花がらを取りました。ミント系植物のアップルミント、キャットニップレモン、スペアミントは切り戻しをしました。

広報活動(受講者募集)
案内状資料綴じ作業
(県社教、町内会回覧板用)
高齢者施設に、案内状発送作業
県社協に発送を依頼し、通信費をカット
今年度の広報活動の工夫
 高松中学校学区内の町内会約500に回覧板をご依頼したところ、快くお引き受けくださいました。
 今回のワークショップについては、実質的な効果は少なかったですが、4/29ハーブ研修会については10名程度の効果がありました。

写真の使用
写真等の無断使用、無断転載を禁止します。(C)Copyright
2012「園芸セラピーワークショップin高農」の概要

1.実施上のねらい
@全国レベルの講師による「園芸セラピー・園芸福祉分野」の研修
Aケアハウス・京山中学校等との園芸交流用の「園芸クラフト」研修
Bコミュニケーション能力や、企画・運営力の育成
  生徒による準備・運営という学習活動
C生徒の活動成果発表の場(プロジェクト発表等)
Dハーブなど農場生産物の販売
 
2.実施日
 平成24年6月23(土)
3.会場
 岡山県立高松農業高等学校「創立百周年記念館」「測量実習室」
4.参加者の内訳
 ・本校生徒
   園芸セラピー専攻生 2年生12名、3年生9名
   1年有志    6名 

 ・一般受講者  29名

 ・講師        1名
 
・本校職員     2名
5.支援機関
 NPO法人岡山園芸福祉普及協会

 その他、高松中学校区連合町内会、山陽新聞社、岡山県社会福祉協議会、日本園芸福祉普及協会にも受講者募集でお世話になりました。

《お礼》
 農業土木科には測量実習室をお借りしました。ご協力、ご支援いただきました方々にお礼申し上げます。有り難うございました。

外部の方の評価(

 生徒さんが一生懸命発表したり、クラフト実習の支援する様子がほほえましかったです。今後とも外部との交流を深め、高松農業高校を盛り上げていってください。さらなるご発展を祈ります。

 生徒の活動発表には圧倒されました。実践に基づいているので、自信に満ちた発表でした。声も大きくハキハキしていて、私たちにパワーをくださいました。テキパキした対応でした。

 事前準備や当日の進行など、生徒さんみんなの力を合わせてのセラピー・ワークショップに参加して良かったです。ありがとうございました。

 高農での講演、実技はいつも楽しく癒やされて、また元気をもらい頑張ることが出来ます。本当に感謝しています。

 生徒の私語がやかましかったとの声もありましたが、おおむね良好な評価を頂戴しています。生徒の評価を含めて、5段階評価で、2名の方を除き多くの方が5か4でした。

参加生徒の感想等

 生徒の数が多い分、自分は今何をすれば良いのか、何が必要なのかを考えました。そして以前より周りを見ながら行動できたと思います。暇そうに立っている生徒に仕事を振れたり、困っていそうな参加者の方を見かけたら声をかけることが出来ました。

 萬木先生に、「俺の講演、良かった?」と聞かれ、「とても良かったです」と答えました。その後、先生に、「それをきちんと活かさなきゃだめだよ」と言われました。当たり前のことを言われていると思うけれど、今の自分に足りない物の一つではないか、とそのとき考えました。なので、アンテナを張り巡らせ、きょうの日を無駄にしないようにしたいです。

 1・2年生が良く動いてくれたので、自分の役割を探すのが大変でした。ななちゃんの最後の生徒代表のあいさつは印象的でした。目線を上げて話していて、声も聞きやすく、何より笑顔が素敵でした。2年生は場を盛り上げるのがとてもうまい。時間通りできたし、後輩も良く動いていたし、総合的にはハナマルなんではないでしょうか。

 私は午前中に習ったことを一生懸命分かりやすく伝えました。作った後、とても喜んでくれて、これを家のどこに置くかなど、プライベートの話まで出来たので、とてもうれしかったです。

 萬木先生の話は良く耳や頭から入ってくる内容で、映像も多く良かったです。私も人を引きつけられる人になりたいです。きょう一日お疲れ様でした。

 先輩のポスター発表は、大きな字で誰が見ても分かりやすいように描いていました。農業意見発表も原稿を見ることなく、顔はずっと前を向いていて、とても良かったです。

 私が頑張ったことは掃除です。私は虫が大嫌いです。トイレ掃除を任されましたが、苦手なクモの巣がありましたが、「きれいなトイレね」と感じていただけるようにと思ったので、勇気を出してクモの巣を取り除くことが出来ました。
 
指導者のコメント
 平成19年度から、生徒の代表発表を行ってきましたが、反省点もありますが、期待を裏切ることなく、いい発表をしてくれました。少ない人とはいえ、一般の方に活動内容の一端を知っていただける良い機会でした。この数年、生徒の対応状況も良く、良い印象を持って帰っていただけたものとアンケートからも分かります。
 さて、講師を招いての内容ですが、人を引きつけるクラフトとして、花のケーキ作りをしましたが、多くの方に気に入ってもらえる作品でした。花が枯れても、次の花を生けられる点も評価が高い理由の一つでした。萬木先生には、花材・資材等々の事前準備でも大変お世話になりました。お礼申し上げます。
 生徒達一人一人の良いところをいっぱい見ることができました。会場の大掃除を始め準備や練習に、そしてメモを取りながらの講演やクラフト実習、生徒の自ら学ぶ姿勢、自ら取り組む姿勢が感じられた一日でした。
 生徒達の笑顔、元気でさわやかなあいさつや準備活動の大切さなど、先輩から後輩に、今後とも引き継いでいきたいものです。