二学期終業式②(終業式)

表彰式に続いて、2学期終業式を行いました。

1)校長式辞

 おはようございます。学校も今日で2学期が終わります、皆さん充実した学校生活を送ることができましたか。

 最初に、明日から冬休みになりますが、新型コロナウイルス感染症については、岡山県でも一日に三千人以上が感染するなど第8波の「波」が押し寄せています。家庭でも感染対策には十分に留意してください。

 さて、2学期を振り返ってみると、2学期は期間も長く大きな学校行事が幾つもありました。依然として続くコロナ禍において様々な制限の中での行事の運営でしたが、それでも3年ぶりというものが多くありました。

 体育祭は3年ぶりに全校生徒がグランドにそろって開催することができました。3年ぶりの修学旅行では2年生の皆さんが3泊4日で九州方面に行ってくることができました。春は中止した「ふれあい市」も秋は3年ぶりに開催することができました。皆さんにとっては初めての「ふれあい市」になりますね。高農祭も保護者の来校はかないませんでしたが、今年はWeb配信がありました。他にも韓国の農業高校とのオンライン交流会や「エフカ・ド・カフェ」の再開もありました。少しずつですが、一歩一歩確実に前に進んでいると感じています。

 そんな2学期でしたが、皆さんしっかりと取り組むことができましたか。2学期の始業式の時に、皆さんが社会に出て活躍するために必要な「社会人基礎力」の3つの力として「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」の話をしました。一歩前に踏み出して失敗しても粘り強く取り組む主体性や実行力。疑問を持ち考え抜く課題発見力や計画力。多様な人々とともに目標に向けて協力する力。様々な諸行事をとおして、是非、こうした力を身に付けてほしいと思っています。その中でも「チームで働く力」は、学校のような集団生活の場でこそ身に付けることができる力です。高校生活の中で仲間と協力して困難に立ち向かっていく力を身に付けてほしいと思います。

 さて、今日は、渋沢栄一の「夢七訓」について話をします。渋沢栄一については、昨年NHKの大河ドラマの主人公にもなっていましたし、新しい1万円札の顔にもなる人ですから知っている人も多いと思います。戦前の日本において銀行や多くの企業の設立や経営に携わった「近代日本資本主義の父」とも呼ばれている人物です。そんな彼の残した言葉に、「夢七訓」があります。

夢なき者は理想なし
理想なき者は信念なし

信念なき者は計画なし
計画なき者は実行なし
実行なき者は成果なし
成果なき者は幸福なし
ゆえに幸福を求むる者は夢なかるべからず

 夢がないということは理想がなく、理想がないということは信念もない。信念がなければ計画も立てられず、計画が無いのであるから、当然何かを実行できるはずがない。仮に実行したとしてもうまくいくことは難しい。だから、成果を上げられず、達成感や満足感を味わうこともできず、つまり幸福にもなれない。幸福になりたいのであれば、まず夢を持つことだということです。

 夢を持つことは、目標に向かって突き進む勇気と一生懸命努力するパワーを与えてくれ、自分自身を後押ししてくれます。コロナ禍という先の見えない時代において、困難な状況に直面して前へ進むことが難しい時もあるでしょう。しかし、そうした時こそ自分を見失わないためにも自分の夢を大切にし、強い信念と希望をもって進んでいってほしいと思います。

 令和4年も後わずかです。皆さんにとってはどんな一年間だったでしょうか。なかなか思うような成果が残せなかったという人もいるかもしれませんが、色々な取組の成果というものは、すぐに表れるものばかりではありません。成長や変化には時間がかかるものです。「石の上にも3年」ともいわれます。何事も試行錯誤の繰り返しです。「まずは一歩踏み出して進んでみて、一度止まって振り返り、自分の歩いてきた道を確かめて、また再び前を向き、もう一度新たな一歩を踏み出していく」。何事もこの繰り返しです。

 明日から冬休みになります。冬休みに一度これまでの自分を振り返ってみてください。そして、もう一度前を向いて、来るべき令和5年をどんな1年にするのか、自分の夢(目標)を考える機会にしてほしいと思います。

 令和5年が皆さんにとって良い年になることを願い、終業式の式辞とします。

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